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庭の手入れは、減らせる。
ほとんど知られていませんが、庭作業の負担は減らせます。
一般的に、庭に土がある状態は面倒だと思われがちです。雑草が生える、植物を植えると草引きや水やりをしなくてはならない、殺虫剤や殺菌剤を使うのは手間だ…と嫌がられます。毎日忙しいのに作業が増える、だから土なんて要らない…と思考はネガティブな方向へ。こうして、土のある庭は姿を消していくのです。
一方で、私たちは土や緑に惹かれます。公園や駅前広場などの公共空間も、山や野原も、田んぼも畑も、まちなかで暮らす人にとっては非日常的で魅力的。なのに行きたいと思っても、なかなか足を運べないのが現実です。
庭は、あなたが思い立った時に、自分のペースで、好きなように楽しめる場所。
リビングソイル研究所が願っているのは、庭をきっかけに、土や植物に触れる機会を生み出し、1人でも多くの人の自然とのつきあい方が変わること。自然を感じる暮らしが当たり前になり、貸し農園を借りたり、土や植物にまつわる仕事をするなど…気持ちよく過ごせる空間が広がること。リビングソイル研究所は、庭づくりを通して1人でも多くの人生が豊かになるよう、精一杯サポートしていきます。
庭の管理は、山から学ぶ。
庭作業を減らすこと、なぜ木を植えるのかを考えることは切っても切れない関係にあります。
雑草は、土がむき出しになっている土地や環境が荒らされた時に最初に生えてくる植物です。山に雑草が生えにくいのは、大小様々な樹木や下草、枯れ枝や落ち葉が太陽をさえぎり、光が土に直接あたらないから。つまり、日光が地表に差し込まない環境をつくれば、庭の雑草をコントロールすることができるのです。
さらに、山と同じような環境をつくれば、土壌からの水分の蒸発を減らせます。水やりの回数を減らすことができるので、通常は自然の雨に任せて、夏場だけ水をまけば充分。
土も植物も生きているため、健やかな状態を保つためには、手入れをゼロにすることはできません。雑用としてでなく、手入れを行うたびに土や緑が整っていく庭仕事の醍醐味を楽しんでいただけたらと思います。
手入れを、プロ任せから住まう人の手へ。
土のある庭が敬遠される理由のひとつに、庭の手入れはプロの仕事だ、という根強いイメージがあります。素人に庭の手入れは難しい、けれどプロに頼むと費用がかかる…との思い込みです。
リビングソイル研究所は、日常の手入れはできる限りご自身でできるようになってほしいと考え、土に触れるワークショップや講習会を実施しています。ご友人やお知り合いを何人か集めてくだされば、オーナー様主催の、実際に庭を整えていくワークショップも開催できます。
庭の手入れの方法は、引き渡しの際にお話しします。さらにサポートが必要な場合や分からないことがあれば、メールやLINEなどによるアドバイスも行っています。プロでなければ難しい工程もありますし、全て任せたい、年間通して手入れを担当してほしいという場合についても、必要に応じて、お気軽にご依頼ください。
庭のある暮らしの、これから。
①居心地のいいまちなみを、自らつくる。
ピクニックシートを広げたり、座りたくなるのは風が通る木陰や木の下。太陽が直に降り注ぐ場所は、冬を除いて敬遠されます。住宅の庭という最も身近な空間をより心地よくするために、木を植える。暮らすのも、歩くのも心地いい風景を育てていく。そう考える人や庭が増えるたび、まちなみは豊かになっていくはずです。
②つくり込まずに、育てていく。
その土地の環境や気候をベースに、可能な限りシンプルに。リビングソイル研究所は、不要な構造物を設けないなど、つくり込まない庭づくりをご提案しています。植物が育ち、年月を経るごとに、心地よさが増すように。手入れしやすい植物を中心に、風土やオーナー様に合う品種を選定。さらに、5年後、10年後の姿を想像し、環境をコントロールできるように考えます。
③庭づくりのイメージを変える。
自然に流行りはありませんが、庭づくりには流行があります。その時々で良さの基準が変わるため、見るだけで、いつごろ流行った庭なのかが分かるのです。時代が変わっても、心地いいと思われる庭をつくるために。リビングソイル研究所は、和風庭園や流行りの植物、人気のあるスタイルをできる限り避けてつくります。
④建築に溶け込む庭づくりを。
庭は、庭だけで良さを示すのは難しいもの。「こんな景色をつくりたい」という建築的な意図があり、暮らし方を想像できる設計の場合、庭は全く違ったものになります。リビングソイル研究所の庭づくりでは、現代の暮らし方や建築の考え方、間取りに合わせるために、建築家や工務店の方々と一緒に仕事を行うことが多々あります。
⑤その土地に合うプランで、実行する。
遠方から取り寄せる特別な資材より、身近にある資材のよさを伝えたい。リビングソイル研究所の庭づくりでは可能な限り、その土地で育った植物を選び、その土地にある資材を使います。また、地域に経済の循環をつくったり、兵庫県立大学や神戸大学、里山で活動する人たちと共同で、里山の資源に価値を生み出す様々なプロジェクトにも取り組んでいます。